生根神社の境内見どころやオススメ観光スポットを…知ってユニバ〜行かないで

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住吉大社の目と鼻の先に「生根神社(奥の天神)」があります。

住吉大社と比べると小さな神社ですが、歴史の奥深さに関しては負けていません。

かつては住吉大社の摂社としての位置づけでしたが、現在は住吉大社とは別の神社として地元の人が多く信奉を寄せる。

地元の人しか知らない、生根神社(奥の天神)のディープな歴史や境内見どころをボソッと呟くように紹介します。….どんな紹介や

生根神社(奥の天神)

読み方

いくねじんじゃ・おくのてんじん

創建年

不明。一説には住吉大社よりも前に創建されたと言われています。

主祭神

少彦名命(すくなひこなのみこと)

ご利益

  • 酒造業界発展
  • 医学(薬)の業界の発展
  • 健康長寿
  • 学問向上
例祭日

10月9日

生根神社の境内図と見どころ

生根神社は広い神社ではなく、10分もあれば一通り見回ることができるでしょう。

しかし、歴史的にも価値が高い御本殿や天満宮が境内にあり、見どころは意外とたくさんあります。

生根神社の見どころを紹介しましょう。

御本殿

生根神社(奥の天神)の御本殿は、拝殿の裏に隠れているため目立たなくなっています。

見えるのはほんの一部だけですが、桃山様式の豪華な流造が御本殿の存在感を際立たせています。

目を凝らしてよく見てみると、御本殿の梁部分に獅子の飾りが見えるので、全体的に豪勢な造りになっていることが伺えます。

流造は、屋根の形が非対称になっており、出入り口側にある屋根の先部分が曲線的に反りながらも長く伸びているのが特徴です。

建立年

  • 1600年~1602年(慶長5年~慶長7年頃)
建築様式

  • 桃山様式の流造
屋根の造り

  • 切妻千鳥破風・木造桧皮葦・極彩色
大阪府指定文化財登録日

  • 1970年(昭和45年)2月20日




拝殿

御本殿の前に位置しているのが拝殿で、生根神社へ訪れた人がまっ先に参拝する場所です。

住吉大社にある社の屋根が桧皮葺(ひわだぶき)であるのに対し、生根神社の拝殿は銅板葺きの青緑色の屋根となっています。

建物に銅板葺きが採用されたのは江戸時代と最近になってからですが、全体的な造りは、典型的な桃山様式です。

新しさと古さとが見事に調和した拝殿は、生根神社独特の趣があります。

建立年

  • 江戸時代?
再建年

  • 1936年(昭和11年)
建築様式

  • 桃山様式
屋根の造り

  • 総木曽桧山材

紅梅殿と天満宮

紅梅殿は、住吉大社神宮寺にあった回廊の一部を生根神社に移したものです。

当初は絵馬所として使われましたが、昭和初期頃に改装され、現在は集会所として利用されています。

住吉大社神宮寺はかつて住吉大社境内にあった寺のことで、現在は見る陰も形もありません。

神宮寺というのは、神道の神と仏教の仏を同一視する神仏習合の文化の中で、神社の中に、神のもとのすがたとされた仏を祀るために建てられた寺院です。
神社建築は、普通、檜皮葺や銅板葺で、瓦は用いませんが、こちらの紅梅殿が瓦葺だということからも、仏教色の残る建物だということがわかります。

なお、以降でご紹介する生根神社の境内社の中にも、瓦葺の屋根のお社がいくつか登場します。
これらも、明治時代に神と仏がはっきりと分離される以前の信仰の形を今に伝えるもの、と言えそうです。

紅梅殿を横手にさらに境内奥へ進むと、天満宮が見えます。

天満宮は菅原道真が祀られており、「学問の神様」として有名です。

天満宮の中には、1482年(文明14年)に制作された菅原道真の坐像が安置されています。

ただ菅原道真の坐像を見ることはできず、社の中にひっそりと佇んでいます。

建立年(天満宮)

  • 江戸時代後期(具体的な建立年は不明)
建築様式

  • 一間社流造
大阪市指定有形文化財登録日(木造天神坐像)

  • 2011年(平成23年)指定

住吉大社にあった「神宮寺」については、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。

関連記事: 【パワースポット】住吉大社「五大力石」のご利益で願いが叶う!?

塞(さやり)神社

塞神社は、粉浜村(現在の大阪メトロ玉出駅付近)の中在家(なかざいけ)と今在家(いまざいけ)から、それぞれ1社ずつ生根神社へと移築されました。

粉浜村を作り上げたのは源氏側についていた8人の武士と郎党達です。

源平合戦で破れた武士達は平家から逃れるために、大阪の住吉までやって来ました。

逃げた先で農業を始め、作り上げた村こそが「粉浜村」です。

後に南へと移転して、「中在家村」として改めることになりました。

塞神社に祀られている八衢比古神(やちまたひこのかみ)と八衢比売神(やちまたひめのかみ)は、粉浜村を作り上げた8人の武士達の氏神と伝えられています。

八衢比古神と八衢比売神は、2人ペアの神様です。

2人は、集落や道の要所に座り悪いものを遠ざけるガードマン的な役割を担ったことから、魔除けのご利益が受けられます。




種貸神社

種貸神社は、敷津浦村上神殿(しきつうらむらかみこうどの)から移築されました。

祭神は宇賀鬼神(うがくきしん)とありますが、穀物の女神である宇賀魂神(うかのみたま)の間違いではないかという指摘もあります。

宇賀魂神は穀物の神様で、京都にある伏見稲荷大社の主祭神である御稲荷(お稲荷さん)として信仰されています。

敷津浦村はかつて農村地帯として栄えた場所でもあるので、社に祀るのは穀物に関係する神様だったと考えるのは、自然のことです。

なお住吉大社にある種貸社との関係性は不明ですが、御祭神が宇賀魂神になっているのは、ただの偶然とは思えません。

建立年

  • 1699年頃(元禄12年)
建築様式

  • 木造

竜王社

竜王社は明治時代に住吉村竜王から移築された社で、祭神は彦竜神・姫竜神・保食(ほけ)神です。

生根神社の由緒書によると、社は現在の万代大領(ばんだいだいりょう)から移築されたと記されています。

「万代大領」という地名はないものの、おそらく住吉区の東側・長居公園周辺を指しているのでしょう。

長居公園周辺には、「大阪市住吉区万代」と「大阪市住吉区大領」の2つのエリアがあります。

なお龍王神社には、彦竜神(ひこりゅうじん)・姫竜神(ひめりゅうじん)・保食(ほけ/うけもちのかみ)神が祀られています。

竜神は人間が生きていく上で絶対に欠かせない水を司る神様で、保食神は食べ物を生み出した神様です。

竜神は海上安全・航海安全・海難防止など、保食神は農業守護や縁結びのご利益があります。

生根神社にある2つのお稲荷さん

お稲荷様のご利益は五穀豊穣・豊作祈願・商売繁盛です。

生根神社には、末社稲荷社と天浄稲荷社の2つのお稲荷さんが祀られています。

1か所目は、生根神社の出入り口付近注連柱(しめばしら)をくぐって左手方向にある天浄稲荷社です。

京都の伏見稲荷大社のように幾つかの朱色の鳥居が並び、近くには百度石があります。

「天浄」が何を意味しているのかはハッキリしませんが、「浄」は濁りがないきれいな様を意味しているので、不幸を取り除いてくれる意味合いがあるのでしょう。

生根神社本殿の裏手にあるのが、末社稲荷社です。

第二次世界大戦後に、帝塚山(てづかやま)地域より移築されました。

もちの木

末社稲荷社から南方向へ向かって歩くと、樹齢500年の「もちの木」があります。

大阪市の保存樹林に指定されている木で、生根神社の御神木です。

住宅街のど真ん中にありながら、住吉の地にどっしりと構えている様は「見事」としか言えません。

ちなみに「もちの木」の名前の由来は、樹皮からとれる「トリモチ」です。

トリモチとは、強力な粘着力をもつ餅みたいな粘着力を持つ物質のことで、昔は枝の先にトリモチをつけて、鳥を捕獲するために使われました。

なお現在は、トリモチを使った鳥の捕獲は法律的に禁止されています。

神明穴立石

本殿東側、末社稲荷社を南へ足を進めると、丸い穴があいた石の建造物があります。

丸い穴のあいた建造物は「神明穴立石(しんめいあなたていし)」と呼ばれ、少彦名命が生根神社へ運び込み霊石にしたと伝えられています。

また少彦名命ゆかりの海浜の石を運び、「何首鳥(かしゅう)」と刻んで崇めたものという話もあります。

何首鳥とは漢方薬のことで、強精剤の効果があるそうです。

なお穴は伊勢神宮がある東西方向を向いており、住吉から遠く離れた伊勢神宮へお参りすることができます。

伊勢神宮に祀られている天照大神(あまてらすおおみかみ)は、太陽の神様で国民の総氏神でもあります。

天照大神が祀られているのは伊勢神宮内宮と呼ばれるところで、日本の神社の中でも別格扱いです。




もう1つの生根神社・上の天神

奥の天神から少彦名命の分霊し、勝間(こつま)村の産土大神(うぶすなおおかみ)として祀ったのが、上の天神生根神社です。

勝間村は今の大阪市西成区付近で、かつては「こつま南瓜」が栽培されていました。

こつま南瓜は、小さいながらも実が引き締まり味もしっかりしており、村人達の貴重な栄養源でした。

上の天神の御祭神としては、奥の天神と同じく少彦名命と菅原道真が祀られています。

そして上の天神にだけ祀られている神様として、蛭児命(ひるこのみこと)がいらっしゃいます。

蛭児命は可哀想な神様で、生まれてすぐに両親から捨てられました。

葦の船に入れて流されてしまい、たどり着いた先で神様として祀られました。

また蛭児は「えびす」とも読めることから、商売繁盛の神様である恵比寿と同一されています。

なお上の天神で授けられるご利益は、学業成就・商売繁盛・病気平癒です。

2つの生根神社は、名前は同じですが別の神社となっています。

もし時間に余裕があるのなら、奥の天神へお参りの際には上の天神まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

上の天神は奥の天神から1.5kmほど離れていますが、車で行けば2~3分で到着します。

上の天神・生根神社の住所・お問い合わせ先

生根神社の授与品

生根神社には、1種類の御朱印と10種類以上のお守りがあります。

お守りの種類は、交通安全・厄除け・安産のお守り・ボケ封じ・商売繁盛などで、800円で購入可能です。

他にも木札や、神宮大麻もあります。

神宮大麻は神社の御祭神の力が宿っている御札のことで、神棚に祀れば神様のご利益を受けることができます。

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